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前回「在韓日系企業の現地化(3)」では、現地化の末に起こった、私が経験したエピソードを書きました。
今回はパワハラ事情について書いてみます。
以前「在韓日系企業の現地化(1)」でも触れましたが、韓国では2019年7月に職場でのいじめ行為を禁止する改正労働法基準法が施行されました。
これにより、対応が不十分な雇用主は、最長3年の禁固刑や最大3000万ウォン(約300万円)の罰金などが科せらることになりました。
韓国では雇用主に対して、ハラスメント行為への対応を義務付けるのは初めてと云います。
この改正により、従業員はこれに該当する被害を受けた場合は通報ができるようになり、健康を害した場合は賠償請求も可能となりました。
さらに、被害者や通報者に対して不利益が生じる措置を講じることも禁止されました。
ニュースなどを見ると、韓国では従業員への「いじめ」と云われるハラスメント行為を受けたことがある人は7割という報道もあります。
その内1割以上が日常的に被害を受けていることも挙げられていました。
韓国で発生した典型的な例を挙げると海外でも有名な、大韓航空のナッツ・リターン事件ですね。
2014年に起こった事件です。
米国JFK空港発ソウル行きのファーストクラスに乗客として搭乗した大韓航空副社長(同会長の長女)が、客室乗務員(CA)にクレームをつけて飛行機を搭乗ゲートに引き返させた事件です。
CAのナッツの出し方を発端にしたことで、「ナッツ・リターン」とか、「ナッツ姫」として有名になりました。
後に社会問題となったことで、彼女は役職から辞任し、さらに懲役10カ月/執行猶予2年の有罪判決を受けました。
ご想像の通り、会社でパワハラ行為を受けた人が7割も存在する事実が示すように、法律改正だけではなかなか現状は変わらないのが現実です。
反対に、ちょっとした行為を被害として通告されてしまい、被通告者が被害者になってしまうリスクもあります。
私が勤める会社では、この法律改正の前から、専門の弁護士先生による教育を全社員に実施したり、ホットラインと呼ばれる会社を通さないで通告できる制度を導入していました。
しかし、上記の実状から、さまざまな事案が発生してしまっています。
具体的には、次回以降で触れていきたいと思います。

(つづく)
