人間の能力をPC性能に例えると

組織を運営するリーダーになると、組織規模の大小に関わらず、所属メンバーそれぞれ能力特性には違いがあり、それぞれの能力を最大限引き出すことで組織全体のパフォーマンスを最大化しようと考えると思います。

例えば、メンバー構成がリーダーに似通った能力を持つ人材に偏ると、似通った意見や提案しか出ず、結果、環境の変化に気づかずリスクヘッジできないケースが発生したりします。

逆に組織に多様な能力を持つ人材がいるけど各人が能力差を尊重できない場合は、組織内に対立が生じ、うまくいかないケースがあるかと思います。

組織に所属するメンバーが増えれば増えるほど、個人差を把握するのは難しくなるので、なにか簡単に把握する方法はないのかと、考えていました。

そしてふっと思いついたのが、毎日使っているPC(パソコン)の性能を左右する仕様です。

PC製品性能を左右する仕様には、ハードとソフトがあります。

ハードはCPU、メモリ、ストレージ、バッテリー、モニターで構成されており、

ソフトは、OS、アプリケーションソフトがあります。

以下は私が考える人間の能力との比較です。

CPU:自頭の良さ

メモリ:行動力

ストレージ:記憶力

バッテリー:身体的な体力

モニター:しゃべりやプレゼン能力

OS:生まれながらの性格

ソフト:関心分野の多様性

人間はPCのような機械じゃないので、それぞれの能力をプロットするのは少し抵抗があるけど、これをレーダーチャート化できれば、きっと役に立つと思います。

もう少し考察が必要ですね。

END

韓国の山登り

ブログへのご訪問ありがとうございます。

今日は気分を変えて、韓国の山登りについて書きたいと思います。

私は、家族が帯同していた7~8年前からソウル近郊の山に登る楽しさを覚え、単身赴任の今も、週末には山を散策しています。

5月から10月まではシーズンで、多くのソウル市民が余暇を楽しんでいます。

ソウル近郊の山登りは、本格的な標高千メートル級の山登りとは少し違います。

ソウル中心の人気の山登りコースだと、道峰山(ドボンサン740m)、北漢山(プカンサン837m)、冠岳山(クァナクサン629m)等があり、いずれも600~800m級の山々になります。

韓国には千メートルを超える山は、済州島に漢拏山(ハルラサン1947m)、南部に智異山(チリサン1915m)、江原道に雪岳山(ソラクサン1708m)の山々がありますが、ソウルから遠いので、気軽には行けませんね。

ソウル近郊の山へのアクセスは非常に便利で、主要な地下鉄駅から歩いて登山口に行けるので、気軽さが東京とは違います。

かと言ってなめたもんじゃありません。

都会の雑踏から一歩登山口に足を踏み入れると、そこは別世界です。

鳥のさえずりと木々の間からさす木漏れ日にすごーく癒されます。

ソウル市民に人気があるのもうなずけます。

また、そこは登山というくらいですから、気軽とは云っても、往復3時間から7時間くらいは掛かります。

普段から足腰を鍛えてないと足腰に相当ダメージがきます。

登りは太もも、下りはふくらはぎがプルプルです。

それぞれの山の山頂に登り、降りてくるのも一つの楽しみですが、山周辺にトレッキングコースが良く整備されています。

代表的なのが、ソウル市が管理しているソウルトレッキングコースです。

ソウル市周辺を一周する157kmからなるコース。

周り易い様に8つのコースで区切られています。

各コースにはスタンプも用意してあり、28個全部押すとソウル市から証明書がもらえます。

私もこれにはハマり、毎週少しずつスタンプを重ね、現在26個まで押すことができました。

この調子でいくと、来週で完了する予定です。

癒され、さらに健康的という登山とトレッキングは、ソウルに住む楽しみの一つです。

(つづく)

在韓日系企業の現地化(7)

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以前のブログでは、日系企業が韓国へ進出する際の形態について書きました。

日系企業が販売網拡大として海外進出する場合には、韓国に限らず

総代理店、駐在員事務所、パートナー企業との合弁、独資での現法設立の設置等

が主な形態となるという趣旨でした。

今回は、韓国の代表的企業であるサムスンの海外進出における人材育成の考え方について、考察したいと思います。

サムスンでは、海外進出についてグローバル人材育成を先に考えており、サムスン経営を熟知した、地域の専門員を育成することに力を入れてきました。

サムスンも海外展開は輸出型から始まりましたが、90年代に入り地域中心主義のビジネスを展開するために、市場をよく理解する人材を本社から派遣しました。

そして、2000年代以降は、さらなるグローバル展開を加速させ、現地の優秀人材を本社に駐在させ韓国及びサムスン流を学ばせ、また地域へ派遣する形態を導入しています。

サムスンのグローバル人材育成は大きく分けて3段階に分かれています。

第1フェーズ

当初サムスンが海外に進出するという段階で、最初に必要になったのが即戦力人材です。

この即戦力人材とは言語ができて現地の人とコミュニケーションが取れる人材です。

その国の語学ができる韓国人社員を駐在員として現地に派遣する形態です。

第2フェーズ

しかし、語学ができるだけでは失敗するケースが多々発生しました。

素行が良くなかったり、現地の文化・風習、あるいは現地のビジネススタイルと合わない人たちが現地に派遣されると様々なトラブルが発生したようです。

この課題の解決策として取り入れたのが、地域専門家制度です。

この制度は本社社員の現地化を目指し、対象地域へ派遣するもので、駐在員とよく似ていますが、少し違います。

最初は仕事をさせずに、現地に滞在しながら見聞き、体験した事を報告させるだけを課します。

語学の習得はもちろんですが、現地の習慣や生活様式、人の考え方の違いを身をもって経験させるのです。

数年間、これを経験させた後、仕事を与えてゆくのです。

多少の初期投資は必要となりますが、この経験を得た地域専門家が存在する現地拠点では、本社間との問題発生するケースも減ることが分かっていると云います。

また、現地特有のニーズも把握でき、製品開発へ反映させることができるのです。

第3フェーズ

それでも本社からの派遣社員に対応が難しいこと、現地社員側でも理解・納得できないことは発生してしまいます。

そこで、取り入れられたのが、グローバル戦略グループです。

現地の優秀人材に、韓国本社に招き、一年間ほど韓国とサムスンについて学んでもらう手法です。

本社のことを熟知し、本社で働いている人のメンタルやコミュニケーション方法を良く知ることで、現地社員を上手くマネジメントできる社員を現地の主要ポスト充てることが目的です。

海外拠点数が増え、現地化が進むと本社からの人材では間に合わず、本来の現地化も実現できないと考えた上での解決策です。

事業成長に伴い対象市場を拡大することは避けられない中で、真のグローバル企業になるためには、現地化は避けられない課題です。

日系企業にも、長期的な戦略と投資を考えずに、現地化を急ぐことで痛い目にあるケースは多々あると思います。

サムスンの人材育成の考え方が日系企業にも大いに参考になると思います。

以上

在韓日系企業の現地化(6)

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在韓日系企業の現地化(5)では、現地人代表による採用及び昇進権限の私物化について書きました。

今回は、現地人経営者が犯した背任罪について、ある事例を書きたいと思います。

ある在韓日系企業は、日本本社の独立資本で2000年に設立されました。

設立当初より現地人を代表理事(社長)にして、すべて経営を任せておりました。

2012年彼が、背任の罪に問われるまではです。

12年間の社長在任期間中に、数ある背任行為が発覚し、会社として刑事告訴しました。

最終的に、刑事裁判で罪が確定し、執行猶予付きではあるものの禁固2年6カ月の有罪判決となりました。

会社として多くの損害を受けたので、並行して民事裁判も起こし、そこでも会社側が勝訴し損害賠償が認められました。

これが大まかな事の成り行きです。

そもそも背任罪という言葉はよく聞くのですが、どのような意味なのか、改めて調べてみました。

Wikipedia(日本語版)では、「背任罪(はいにんざい)とは、刑法に規定された犯罪類型の一つ。他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときに成立」とあります。

Wikipedia(韓国語版、Google翻訳)で調べると、「背任罪は、他人のためにその事務を処理する者が、その事務の任務を捨て、不法行為をして財産上の利益を取得したり、第三者これを取得させて他人に損害を加える犯罪である。」とあります。

日韓ともに刑法に定められた罪になります。

要するに、役員や従業員が会社の権限を使って会社に損害を加える行為です。

以前、このブログでも新社屋のレイアウトについて私物化の事例を上げました。

これ自体は会社に損害を加える行為ではないので、罪には問われません。

では何が行われたかと云うと、

その新社屋の建設工事費用でキックバックが行われていたのです。

新社屋の建設業者と結託して、工事費を上乗せ請求させ、上乗せ分を個人口座にキックバックとして支払わせていたのです。

建設業者とはもちろん、社内の従業員に協力者がいたことも分かっています。

このケースでは、代表は不正により利益を取得していますし、会社は本来請求される額よりも高い金額を払ったことで損害を被っています。

上のWikipediaで参照した「不正行為をして財産上の利益を取得して、さらに会社に損害を加えている」の背任罪に完璧に当てはまります。

韓国に限らず、不正なキックバックは最も発生頻度が高い社内不正であると云います。

ガバナンス機能が脆弱で第三者による監視ができていない場合はもちろん、容易に実施でることが想像できます。

さらに、単独犯でなく、社内外に協力者・共犯者がいる場合は、計画的で偽装も巧妙にしやすいため、より被害に気付きにくく、見つかり難いといいます。

会社の代表にやられてしまったら目も当てられませんが、営業・購買など、顧客やサプライヤーと接する部門では発生しやすいので、注意が必要です。

弁護士関係者から聞いた話しでは、発注の承認権限と納品に対する検収権限を持つ代表と担当が結託した場合は、ほぼ見つけることが不可能と云っていました。

社内のガバナンス・内部統制を強化するのはもちろんですが、この様な意図する背任を実際にどう防ぐか? 

経営の大きな課題です。

(つづく)

在韓日系企業の販売網

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今回は韓国市場での販売網について考察したいと思います。

製造メーカーが自社製品を海外市場で販売する場合、販売網をどう選択するかは重要な意思決定となります。

なぜなら、選択肢によって、その対象市場に対する会社の投資規模が変わってくるからです。

海外市場への投資は、カントリーリスク、市場規模、市場の潜在性、成長性、競合、顧客ニーズなどを考慮して、最適な販売網を選択することが地域戦略の鍵を握ります。

ここでは、いくつか、選択肢を上げ、それぞれについて説明します。

まず、現地総代理店を設定して販売する場合です。

この場合、韓国には現地法人、駐在員事務所など物理的な投資は必要ありません。

日本の本社(もしくは他国に工場などがある生産地)から輸出ができれば、総代理店が韓国での輸入、販売・サービスなどのすべてを請け負ってくれます。

この方法が日系企業にとっては、一番投資が少なくて済みます。

一方で、投資が少なくて済む反面、デメリットもあります。

韓国に於いては総代理店にブランドと販売戦略を一任することなるので、代理店による不祥事はそのままブランド棄損に直結しますし、市場が大きく成長しているのに販売が伸びないという状況を容易に作り出してしまいます。

私が17年前に最初に韓国へ赴任したのは、当時の総代理店にお任せするのを止めて、自ら販売網を構築するのが目的でした。

次に、駐在員事務所を設置する場合です。

国の規制によっても違いますが、駐在員事務所は通常営業行為は禁止されており、いわゆるマーケティングなどの情報収集行為がメインの業務になります。

韓国でも、駐在員事務所による営業行為は禁止になっており、市場の情報収集と総代理店の補助的業務がメインになります。

よって、総代理店で挙げたデメリットは払拭できません。

但し、駐在員を赴任させますので、情報を入手できる量、幅は大きくなり、市場でなにが起っているのかは把握できるようになります。

駐在員事務所は比較的容易に設立できるので、現地法人を設立する前に駐在員事務所を設立して準備に当たることではメリットが期待できます。

しかし、総代理店の権利を脅かすことになりますので、関係が悪くなることは必至ですね。

次に、合弁で現地法人を設立する場合です。

日系企業の多くがこの選択をする場合が多いです。

なぜなら、独立資本(独資)での現地法人に比べたら立上げと経営が圧倒的に容易だからです。

顧客と販路を一から開拓しないで良いですし、人事、労務、福利厚生など複雑で面倒くさいことをすべて合弁先のインフラが利用でき、問題が起っても合弁先主導で解決できるからです。

これまで私のブログで書いたトラブルも、私の所属する会社が独立資本(独資)だからこそ、起こる苦労が多いです。

これが免れるのであれば、合弁での現地法人設立は有効な選択肢になるでしょう。

但し、デメリットも多いです。

持分比率や役員構成人数にもよりますが、韓国側に経営の主導権を取られてしまう場合が多いです。

それは、先ほど述べた面倒くさいことが解決できる代わりの代償と思っていいでしょう。

持分比率が半分を超えている場合でも、数年後にトラブルに巻き込まれるケースをよく聞きます。

よく耳にするのが、合弁時代に共有した日系企業側のノウハウや製品特性だけを真似されて、合弁を解消されてしまうケース。

また自ら合弁を解消しようにも、リスクが伴います。

合弁先を選ぶ際はその業界でのシナジーを狙って強い相手と組む場合が多いです。

合弁解消後は元合弁先が強い競合という敵となり、その様な環境で一から販売基盤を作り上げることは容易ではないことが想像されます。

これでは、多くを投資した意味が薄れてしまいますね。

最後に、独立資本で現地法人を設立する場合です。

この選択肢が日本本社としては一番投資が必要です。

が、逆に経営、販売におけるメリットも多くあります。

私が所属する会社は2000年に日本本社の独資で現地法人を立上げ、私が所属する事業も2004年に総代理店との契約を終了して直接現地法人による販売を開始しました。

現地法人だからこそ発生する諸問題はあるものの、市場と顧客の声を直接聞くことができ、迅速に対応できる点では非常にメリットは大きいです。

その分現地に派遣される駐在員の苦労は多いですね。

販売網の考え方について、引き続き書いていこうと思います。

(つづく)

在韓日系企業の現地化(5)

ブログへのご訪問ありがとうございます。

前回「在韓日系企業の現地化(4)」では、韓国でのハラスメント事情について、書きました。

今回は私の体験した韓国アルアル?について書きたいと思います。

私が韓国に最初に駐在員として赴任した17年も前のことです。

当時、担当する事業を韓国で新規に立ち上げるということで、優秀な人材を募集しておりました。

現地人社長からぜひ会ってほしい人が釜山に居るということで、こちらから釜山までその人材に会いに行きました。

お会いしたその方は、現地社長と姓が同じです。

韓国では、姓が同じ事はよく有ることなので、これだけではそれほど疑う余地もないのですが。

それよりもなによりも、会った瞬間に気付くのは、背格好といい、髪の毛の生え方といい、顔の特徴といい、現地社長のその人にそっくりではないですか。

当然、「社長とご兄弟か、親戚ですか?」という質問をしましたところ、「違う」と即答されました。

「え~、まさか」という心の中で声を発してしまうほど、嫌な予感がしました。

その後、彼は釜山からソウルに異動して来て、同じ事業の立ち上げに携わってもらいました。

同じフロアーで仕事をすることになり、絶対遺伝子共有しているでしょ!と私の思いを強めるに値いする振る舞いを日々目にする様になりました。

社長と兄弟ではないかという噂は、社内では瞬く間に広がりましたが、ご本人たちは一切認めませんでした。

彼はそれなりに仕事はできたのですが、同じ入社時期の同じ年代の方よりも、出世がものすごく早いのです。

最初は課長からスタートしましたが、瞬く間に次長、部長、理事と毎年昇進され、私の駐在員任期の4年間で、常務及び事業本部長にまで昇り詰められました。

さすがに隠し切れなかったのか、私の駐在員任期の最後の年には、実弟であることを明らかにされました。

今から思えば、社長と二人きりで会議することも多かったし、彼に社長決裁を依頼すると社長承認が早かったですね。

優秀な人材なら、最初から正直に社長の実弟だと宣言して、任に当たらせたら良かったのに、なぜ隠したのでしょうか。

そこには何か邪な考えが有ったのだろうと考えざる負えません。

以前の「在韓日系企業の現地化(3)」では自社ビルでの現地社長による会社の私物化について書きましたが、ここでも別の形で私物化を許してしまっていたのでした。

「邪な考え」については、また別に明らかにしたいと思います。

(つづく)

在韓日系企業の現地化(4)

ブログへのご訪問ありがとうございます。

前回「在韓日系企業の現地化(3)」では、現地化の末に起こった、私が経験したエピソードを書きました。

今回はパワハラ事情について書いてみます。

以前「在韓日系企業の現地化(1)」でも触れましたが、韓国では2019年7月に職場でのいじめ行為を禁止する改正労働法基準法が施行されました。

これにより、対応が不十分な雇用主は、最長3年の禁固刑や最大3000万ウォン(約300万円)の罰金などが科せらることになりました。

韓国では雇用主に対して、ハラスメント行為への対応を義務付けるのは初めてと云います。

この改正により、従業員はこれに該当する被害を受けた場合は通報ができるようになり、健康を害した場合は賠償請求も可能となりました。

さらに、被害者や通報者に対して不利益が生じる措置を講じることも禁止されました。

ニュースなどを見ると、韓国では従業員への「いじめ」と云われるハラスメント行為を受けたことがある人は7割という報道もあります。

その内1割以上が日常的に被害を受けていることも挙げられていました。

韓国で発生した典型的な例を挙げると海外でも有名な、大韓航空のナッツ・リターン事件ですね。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%9F%93%E8%88%AA%E7%A9%BA%E3%83%8A%E3%83%83%E3%83%84%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3

2014年に起こった事件です。

米国JFK空港発ソウル行きのファーストクラスに乗客として搭乗した大韓航空副社長(同会長の長女)が、客室乗務員(CA)にクレームをつけて飛行機を搭乗ゲートに引き返させた事件です。

CAのナッツの出し方を発端にしたことで、「ナッツ・リターン」とか、「ナッツ姫」として有名になりました。

後に社会問題となったことで、彼女は役職から辞任し、さらに懲役10カ月/執行猶予2年の有罪判決を受けました。

ご想像の通り、会社でパワハラ行為を受けた人が7割も存在する事実が示すように、法律改正だけではなかなか現状は変わらないのが現実です。

反対に、ちょっとした行為を被害として通告されてしまい、被通告者が被害者になってしまうリスクもあります。

私が勤める会社では、この法律改正の前から、専門の弁護士先生による教育を全社員に実施したり、ホットラインと呼ばれる会社を通さないで通告できる制度を導入していました。

しかし、上記の実状から、さまざまな事案が発生してしまっています。

具体的には、次回以降で触れていきたいと思います。

(つづく)

韓国の就職事情(5)

ブログへご訪問ありがとうございます。

前回のブログ「韓国の就職事情(4)」では、

試用期間であっても、試用期間満了に伴う契約解除は難しいことについて書きました。

今回も、私が実際に経験した試用期間中に起こった珍事について紹介します。

私の直下で事業管理を統括する、いわゆる「役員」を採用した時のことです。

ある人材紹介会社を通して紹介された人でした。

彼は、ソウル大学経営学部卒業で、新卒でサムソン電子に採用され、その後すぐに日本支社へ派遣され、10年間に渡り日本で勤務したことがある、いわゆるエリート中のエリートでした。

ソウル大学と云えば、韓国では右に出る大学がない、だれも認めるトップ大学です。

そして、サムソン電子。これも韓国では学生人気No.1企業。

彼の履歴書を見ただけで、こちらがビビるほどの経歴。

最終人事面接の時は、日本語による質問にもほぼネイティブに近いような受け応えです。

面接を終えた私の感想は、本当に当社に来てくれるのか?こちらが疑心暗鬼になるほどの完璧さでした。

入社後は当社で抱えている課題、目指すべき方向性と役割期待をお伝えし、それに応えるごとく各部署との擦り合わせに余念がない様子で、安心してみていられました。

一点だけ、気になったのが、入社した方全員に提出を求めている卒業証明書を二か月経っても提出されてないことだけです。

人事部から何度か本人に督促していましたが、入社後さまざまな課題に取組んでもらっていたので、忙しさで失念されているだけと思っていました。

いよいよ、試用期間の三か月が近づいて来たその時、「大学に行く時間がやっとできた」とかで、人事部へ卒業証明書がやっと提出されました。

提出するのがぎりぎりだったこともあり、少し気になった人事部の担当が、念のためと、ソウル大学の事務局へその「卒業証明書」が本物かどうか問い合わせたのです。

なんと、驚いたことに、この名前の卒業生は存在しないという回答。

我が人事部担当を褒めて上げたいのが、その提出された「卒業証明書」を持ってソウル大学まで訪問して、実際に確認したこと。

そこで、なんと、偽造された卒業証明書だったことが分かったのです。

映画『パラサイト 半地下の家族』で見た、あのシーン。

この事実、映画よりも過去の事ですが、実際に我が身に降りかかるとは。。。

その後、彼は突如消えました。

事実を突きつけられて、夜逃げしたんでしょうか。たぶん。

彼の携帯はもちろん、昨日まで住んでいたと思われる家にも連絡がつかず、その家に実際に訪問しても応答なし。

「狐につままれた」とはこの時のことを云うでしょうね。

今でも疑問に思うのは、彼はどこの大学を卒業したのか?

もしや、高卒だったのか?

サムソン電子の日本支社にも勤務した経験がないのに、日本語はどうやって勉強したのか?

いまでも時々思い出す、不思議な出来事です。

意外と間違えている人が多い!?履歴書の日付記入 | ワーキンお仕事探しマニュアル

(つづく)

在韓日系企業の経営現地化(3)

ブログへご訪問ありがとうございます。

前回のブログ「在韓日系企業の経営現地化(2)」では、

韓国では法対応のリスクが高く、経営者が巻き込まれるケースがあることについて書きました。

今回は、私のおもしろい体験を語ります。

4年前までの話ですが、私が勤めている会社の事務所は在韓日系企業には珍しく自社ビルにありました。

初代現法社長である現地人社長のかねてからの夢だったのでしょう。

2010年にソウル江南区の一等地に土地を購入し、12階建ての本棟と5階建てのアネックスを新規建築しました。

本棟には、上層階から、代表理事専用フロアー、財務・人事総務フロアー、そして各事業の営業フロアーと、各階ごとに部署が分かれて配置されている構造でした。

本業とは関係ないのですが、地下には200人近く入れるコンサートホールがありました。

世界の最高級ピアノで有名な「スタインウェイ&サンズ」のグランドピアノが備えつけられ、最新のAVシステムも完備していました。

当然のことながら、社内イベントだけでなく、プロの音楽家によるコンサートやオペラなどの舞台も頻繁に開催され、それを運営する専門チームもありました。

社長のお母さまのお誕生日会がここで盛大に開催されたこともありました。

今回はコンサートホールではなく、本棟最上階の代表理事専用フロアーの話です。

本棟のエレベーターで12階に上ると、そこにはビル一階の受付よりも大きい社長専用受付デスクがあります。

笑顔で二人の専任秘書が出迎えてくれます。

そこを通りすぎると社長専用応接室があり、来客はここに通されます。

壁には海外から購入したと思われる大きな絵画が掛けれらており、椅子と机はゴシック調に統一されています。

秘書から飲み物がサーブされ、社長が入ってくるまで少し待たされることになります。

待っている数分でヨーロッパの高級ホテルのラウンジに居るかのような魔法にかけられた気分になりました。

応接室の反対側にはお客様に食事をもてなすことができる来客専用展望ダイニングがあります。

2009年に世界遺産に登録された朝鮮王陵である宣陵(ソンヌン)公園を見下ろす素晴らしい景色のダイニングルームです。

この部屋ではお客様との話しが盛り上がり、商談も良い方向へ進むこと間違いなしです。

フロアー奥右手には役員会議室があり、社長参加の会議、報告会はここで行われます。

最大20人が収容できる会議室で、それなりに良い家具が使われていますが、社長専用にさらなるゴージャスな椅子があり、専用のモニター・マイクが設置されています。

社内会議では社長の一言一言聞き漏らすまいとメモを取る役員の姿が思い浮かびます。

もう一方の奥左手は社長室です。

一般社員の席だと20人分くらいのスペースはありましたかね。

特徴的なのは、応接室と役員会議室はこの社長室と直接ドアで繋がっており、社長は一般用の入り口とは別なドアからこれらに出入りできる構造でした。

社内会議では社長以外の参加者全員が常に会議開始15分前までに集合します。

開始時間を少し過ぎた辺りで社長が専用ドアからバッと現れる。緊張の一瞬ですね。

ここまでであれば、少々贅沢な作りだなと考える程度で、まあ自社ビルなので許容される範囲と思われるでしょう。(そうは思わないかな。。)

私もその自社ビルに勤務している当時は、韓国では代表理事は責任も重いし、それなりの特権もあり、仕事がしやすい環境を与えられても仕方ないと考えていました。

しかしです、彼が退職した後に新たな事実が発覚したのです。

社長室からだけ出入りできる隠し部屋が存在したのです。

なんと隠し部屋には、彼の趣味であるドラムを練習できる音楽スタジオ、仮眠ができる寝室、そして専用のシャワー室とトイレが有ったのです。

これには私もびっくり。

彼はここで24時間働くつもりだったのか、それとも住みつくつもりだったのか?

彼と限られた社員しか知らない隠し部屋の存在。

これこそ会社資産の私物化でした。

数年前にその自社ビルは現地ベンチャー企業へ売却し、かなり改装されたと聞いています。

そういえば、高級グランドピアノはどうなったんでしょう。

実はそのピアノ、ビル建築に合せてコンサートホールに設置したので、運び出せる間口のドアや窓がないという噂を聞きました。

(つづく)


韓国の就職事情(4)

ブログへご訪問ありがとうございます。

前回のブログ「韓国の就職事情(3)」では、

コネ入社対応の難しさについて書きました。

実はあの話の続きがあるのですが、

教授先生の子息さんは、その後入社した競合他社も退社さたそうで、その結果、教授先生の病院からは彼らの製品も排除されたそうです。

「触らぬ神にたたりなし」ですね。

今回も、私の体験に基づく話をさせていただきます。

以前、部長クラスの中途採用(韓国では経歴社員の採用という)をした時のことでした。

何人もの書類選考と面接を通して一人に絞り込み、三か月の試用期間を設定して、入社してもらうことにしました。

グローバル企業の経歴もお持ちで、英語も上手で、性格はおとなしそうな印象でした。最終面接時は、彼がプライベートジェット機のパイロット免許を保持していることで、話は大いに盛り上がりました。

入社早々製品トレーニングでシンガポールに出張してもらったり、私と一緒に重要顧客を訪問し直接紹介したりと寄り添ってOJT (on-the-job-training) を行いました。

試用期間が終わろうとする2か月半が経ったときです。

彼が、ある重要顧客から出入り禁止を通告されてしまったのです。

営業担当に調べてもらうと、前職時にその顧客と問題を起こしており、弁護士も間に入るような裁判沙汰になっていた事が分かりました。

その顧客から直接私に対して、彼を退職させない限り当社とはこれ以上付き合えないと通告されました。それも「大事にしないで退職させて」という条件付きです。

顧客の中でも取引額がトップ5番以内に入る重要顧客だったので、彼を「営業以外の他の部署に異動させるか」、「辞めさせるか」、「顧客の取引が終わるのか」の重要な決断に迫られました。

人事部門と相談し、試用期間ということもあり、試用期間満了に伴って辞めてもらうことにしました。

しかしです。よくよく調べると試用期間であったも、労働法規および雇用契約上、簡単には辞めさせられないことが判明しました。入社日から社員としての雇用維持は保障されるというのです。

顧客であっても弁護士を使って裁判沙汰にするような人です。

簡単には辞めてもらう事はできないと覚悟しました。

案の定、本採用しないとこと通告すると、弁護士が後ろにいることが明らかなものの云いようで、法外な強気な要求をしてきました。

当社も、人事に頑張って交渉してもらった結果、かなりの慰労金を払うことになりましたが、彼に会社を出て行ってもらうことができました。

その後、入社時の試用期間の条件を見直したのはもちろんです。

教訓は人は見た目では分からないことと、入社前にリファレンス(過去の懲戒・勤務態度・取引先との関係)をしっかり確認しないと、えらい目に合う事を痛感しました。

(つづく)